2016年8月29日月曜日

#009 ウサイン・ボルトに近づいた




週2,3回ほど海岸沿いを走っていますが、いっこうに痩せる気配がありません。
派遣前訓練中はほぼ毎朝4-6km走っていたし、日本で仕事をしていた時も割と歩くし座ることの少ない仕事だったから、比較的運動不足なジャマイカ生活です。



ウサイン・ボルト見かけたら全速力で追いかけるわ!!と友人に豪語していた私ですが、よく考えたら追いつけるわけない・・・ただただ遠ざかる一方じゃん・・・



そんな世界最速の男、ウサイン・ボルトはジャマイカ出身。
おなじみのあのポーズで世界中を熱狂させた陸上選手です。
先日終わったばかりのリオデジャネイロオリンピックでは3個の金メダルを獲得。
2008,2012,2016年とオリンピック3大会連続で100m、200m、4×100mリレーの金メダルなので3×3で合計9個の金メダルを獲得しています。オリンピック史上初の快挙を成し遂げた彼。

ウサイン・ボルトはまさにジャマイカのニューヒーローです。




ウサイン・ボルトの出身地は私の業務エリアであるファルマスと同じ県にあり、車で20分くらい。

そして現在私の職場ではファルマスの観光ツアーの開発中なのですが、そのツアーにウサイン・ボルトの母校を加えようという案が出ています。

私も今後業務として関わる可能性があるので、会議と視察に同行させてもらいました。


ここがウサイン・ボルトの母校「ウィリアム・ニブ・メモリアルハイスクール」

ジャマイカの学校に入るのは初めてなので新鮮。というか、日本ですら大人になってからは学校に入ることなんてめったにない。



今は夏休み期間ですが、登校日らしく生徒がちらほら。



12歳~17歳くらいが通っています。
ジャマイカでは中学校がなく、小学校の後は高校に通います。
中高一貫校的なイメージかな。



教室の中の様子




グラウンド。ここで若かりしウサイン・ボルト少年が練習していたのでしょう・・・




トイレに鍵がかかっていたので窓枠から数や構造を確認する男性陣。

不審者にしか見えません(笑)

でも、トイレの数や状態もツアー視察にはかなり大切な要素。
バリアフリートイレの案も出てたけどこのサイズのトイレでは難しそう。



ここは公立高校なのだけど、日本では公立高校に観光客を入れるなんて滅多にない。





7人の「ナショナルヒーロー」に肩を並べて紹介されているボルトさん。
学校全体で彼を誇りに思っているのが伝わります。




自分の写っている自然な活動写真が欲しくてカメラを同僚に託したけれど、
どうしても集合写真になってしまう。



せっかくだから、この田舎の高校に通う生徒さん達と、世界中から来た観光客が交流する場となるようなツアーになったらおもしろいんじゃないかなと個人的に企んでいます。

今はまだボルトのように世界一の存在じゃなくても、世界の人々と対等に関わる場があれば、あぁこんな世界もあるんだ、世の中って面白いな、もっと知りたいな、もっと知らない世界を見てみたいなって思うかもしれない。そうすれば、ジャマイカの子供ももっと世界を舞台にした大きな夢や希望を持つようになるかもしれない。


まだまだ私が何かを動かすような立場ではないけれど、時機を見て億さず動けるように準備します。
まだまだ、ほんとにヒヨっこすぎていつになるやらって感じだけど・・・



ウサイン・ボルトとは段違いの速度(の遅さ)で活動中の私ですが、少しボルトの存在を身近に感じた一日でした。



2016年8月25日木曜日

#008 港町ファルマスの「柵の内側」潜入レポ



今日は職場から車で15分。港町ファルマス(Falmouth)の視察に行きました。



私の業務内容のメインは、ここ港町ファルマスの観光開発。

週に何度か、カリブ海クルーズの大型客船が停泊する港町です。

何万人もの外国人クルーズ客(主に欧米人)がジャマイカに降り立つクルーズ観光の玄関口。
クルーズ船の港としては比較的新しいものの、元々商船の港町として栄えていました。





でかい・・・



巨大高層ビル・・・



屋上にウォータースライダーあるし・・・



見上げると首痛い

圧巻です。

クルーズって聞くと、金持ちセレブの道楽旅なイメージがあるけど、欧米人にとってカリブ海クルーズはもう少し気軽でカジュアルらしい。お金持ちまで行かなくても、普通の所得の家族が夏休みのバカンスで乗船したりするみたい。


そんな観光業振興のポテンシャル抱えまくりのファルマス。
しかし問題もありまして、それは一言でいうと「柵を隔てた格差」。


港には立派な柵があります。


この画像のカラーのとこと白黒のところに。

いろいろ語りだすと長くなるので、まずは気楽に「柵の内側」(カラーのとこ)をご覧ください♪



広々した綺麗な広場。ゴミ一つない!



これぞカリブのビーチリゾート!



お土産品



店員さんの接客もダウンタウンより全然しつこくない!



ジャマイカ来て初めて海賊推しの店を見た。



Tシャツの模様がずらり


第一印象:ここは、ディズニーランドだ!


ここ、柵の内側(港側)はクルーズ客がバカンスを楽しむための限定エリア。

「普通のジャマイカ人」は入ることができません。
営業の許可を得た一部のジャマイカ人は「内側」で小さなお店を出せますが、ほんの一握り。





こんな感じで工芸品を手作りしながら販売してます。



大きなお店やレストランの多くは外資系です。高級時計や宝石の有名メーカーの小売店もずらりと立ち並んでいます。
ジャマイカでは首都でも見たことがないようなお店がたくさん。

同僚が言うには、「柵の内側はすごいだろ?あそこはね、ジャマイカじゃないんだよ。」

安全で、ゴミ一つなくて、値段が明示されてて、道端で絡まれることもなく・・・いやぁ最高です。
まさにディズニーランド。夢の国。カリブ海「らしい」。



でもこの柵の内側だけでクルーズのお客様が満喫して船に戻ってしまったら、地元の人の生活は潤わないんですね。ジャマイカでアメリカ産や中国産のお土産買って、外資系企業がやってるレストランでジャークチキン食べても、地元ジャマイカンの収入には直接結びつかない。

これをいろんな角度からアプローチして、地元の人が観光による利益を享受できるように手助けしたいと思っています。

ここは語りだすと長いのでこの辺にしておきますが、柵の内側も外側も、私は好きです。



柵の外側のジャマイカランチも美味しいよ


スチームフィッシュ 600円くらい





柵の「外側」のくわしい様子はまた近いうちに。

2016年8月17日水曜日

#007 Rio Olympics

陸上王国?ジャマイカのオリンピックシーズンは今週が佳境です!


新聞でもテレビでも乗り合いタクシーの中でも、話題の中心はもちろん陸上。
昨日のレース展開や今日の予選は誰が出るかで持ち切りです。


もちろん目玉は国民的ヒーローで国の英雄、ウサイン・ボルト。
引退を表明している彼の「トリプルートリプルメダル」がかかっています。
(100m, 200m, 4×100mリレーの3種目で3大会連続金メダルを取ること)


私もさっそくチェック!・・・したかったけど部屋のテレビが映りません・・・


お隣さんに頼んでチェックしてもらったんだけど、それでもいまいち。せっかく新しいテレビなのに肝心の接続が全然ダメ。ジャマイカに来てからこういうことたまにあるな。めっちゃ設備いいのにインフラが…という悲しい状況。



せっかくオリンピックウィークなのにーー!!と思ってええい酒だ!と私が住んでるアパートの敷地内にある小さな屋外バーに向かいました。




テレビある!中継してる!ラッキー♪
いつもはレゲエがんがん流しているみたいですが、今週はスポーツバーみたいになってるようで。


ジャマイカの国民的ビール、レッドストライプを飲みながら、ウサイン・ボルトの200m準決勝を見守りました。
ジャマイカ人も私も大盛り上がり。
難しい言葉を知らなくても一緒に楽しめるから、やっぱりスポーツの力はすごいなぁ。



決勝は明日!!!今からドキドキする・・・


ジャマイカ勢が大活躍のリオオリンピック陸上競技、お見逃しなく~!

2016年8月15日月曜日

#006 大人の社会見学~水道設備~

先月の出来事。


JICA関係者の皆さんと一緒に首都の隣町、スパニッシュタウンにある水道設備の見学をしてきました。
同期としてジャマイカに来ているシニアの方(職種:下水道)の勤務先が水道局ということもあり、私もなんとなく気になるジャマイカの水道事情・・・。


水道の現状としては、JICAドミトリーでたまに夜シャワーがちょろちょろしか出なくなって不便だけど、まぁ大きなトラブルはありません。

飲料用としては、JICAの皆さんいわく「飲めるけど濾過器通して飲んだ方が良い。」とのこと。
またガイドブック「地球の歩き方」によると「水道水は基本的に飲んでも問題ないとされているが、敏感な人はミネラルウォーターを持参するとよい」との記載。





スパニッシュタウンの様子。スパニッシュタウンもキングストン同様に危険回避のための立ち入り禁止区域が存在します。しかし、昼間にバスの中から街並みを見る分には平和に見えます。





54年前にイギリスから独立したジャマイカ。
独立前までは行政によって管理された水道設備などはなく、その地域ごとに地元民が農業用に灌漑していた水で生活していたようです。
そして独立後は、その農業用灌漑を活用する形で徐々に水道が整備されていったようです。





川の水を水道用に引き込む設備はウォータースライダーに早変わり。
地元のキッズにとっては最高の夏休みのレジャースポットですね!
涼しいし、おなかが減ったらマンゴーの木がすぐ隣にあるし。
私もやってみたいな~。






日本からの支援が入っているようで、日本国旗やJICAのマークが入ったプレートがありました。





管理するモニター



さまざまな濾過の手順、消毒の手順、配管を清潔に保つシステムを見せてもらい。。。



最後に「ほら、きれいな水がここを通って運ばれていくんだ。」


と、得意げな職員さん。
地面にあるマンホールのような蓋を取って中の水道水を見せてくれました。


んでふたを閉めようとした瞬間、


ぼろボロォォッ……


ふたの裏側についていた錆が豪快に水道水に落下していきました。





え、いや、今、最後の最後に台無しになったべ...!?



という空気が流れ、我々若干ザワつきました。

まぁその蓋は日頃はめったに開けない蓋のようでしたので、基本的には大丈夫なんでしょう。




以上、ジャマイカの水道事情でした。





※最期に補足で少し長文。


濾過プール

この濾過プールを見ているとき、他の日本人の方が
「え、屋外で濾過してるんだジャマイカって・・・」というリアクションをしていてね。
その人は日本でも水道設備をほとんど見るのことがなかったようなんだけど。

私は日本で2か所の水道設備を見たことがあり、2か所とも濾過プールは屋外にあったので、
「いやぁ、日本でもそんなもんでしょ。結構日本クオリティと近い印象だけどなぁ。」と思っていました。


その日本人の方は「日本の水道水がまさか屋外で濾過処理されてるなんてあり得ない!」という思い込みでそう発言したのかもしれません。



・・・なんて偉そうに推測してみちゃっている私だって、たった2か所のそれを基準にして語ってるわけで。

しかも1か所は大学時代に講義の一環での見学だから9年前?んで、もう1か所は仕事で沿線を通る時によく目にしていただけ。

そんな鮮度と確実性の低いたった2つのサンプルを「日本の水道」として捉え、ジャマイカのそれと比較していた。我ながらあまりに拙い評価基準だなぁ・・・と今振り返って思いました。


つまり私が言う「日本」って、「私が知ってる半径1mの日本」に過ぎないんだよね。
ジャマイカ人に日本のことを話す時、「多くの日本人は○○しがちだけどジャマイカ人は・・・」っていう話し方をしているけれど、正しくは

「日本 ※ただし28歳会社員女性が現状知っている範囲に限る」

となる。
でもジャマイカでは私が語る「日本」が、周りのジャマイカ人にとってまさに「日本」になるかもしれない。だから出来るだけ誤解のない日本を伝えていかなきゃいけないし、そのためにはまずは日本を知る(今更だけど)!最低限の予備知識は必須ですね。


そして逆もまた然り。
私がこのブログやFacebookを通して紹介するジャマイカは、皆さんにとってまさに「ジャマイカ」になる可能性が高いよね。実際にジャマイカに行ったりジャマイカ人と友達になる人の方がきっと少ない。
だからできる限り誤解なく客観的に伝えていきたいけど、主観的に書けるのがブログの良いところであり、さらに観光開発に関わる一員としては観光地としての良い側面にスポットを当てていきたいし・・・。


うむ、発信する側って難しい・・・まぁ考えてても何も動けないし、発信しながら微調整します。



ではまた!


2016年8月11日木曜日

#005 来れてよかったモンテゴベイ

2016/08/11


配属先があるモンテゴベイに引っ越しました。
首都キングストンから高速道路利用で約3時間。




やっと、やっと、やっと、引っ越しました!!(泣)


・・・たかが引っ越しになんでこんなに感慨深げなのかというと、
勤務先の都合で引っ越しが4回延期になっていたから。


予定では7/18から一週間首都のオフィスで手続きや準備して7/25からモンテゴベイへってことだったんだけど、

1回目:モンテゴベイまで行く手段の用意ができないからと延期し
2回目:必要な物品を全てキングストンで用意して持っていくけどその準備がまだと延期し
3回目:今週は独立記念でお祭り騒ぎだから首都の方が楽しいわよと延期し
4回目:あれ?水曜じゃないわよ木曜よ?と延期し(何度も確認したんだけどな・・・)

特に「必要な物品待ち」が長くて、でもIDカードも最低限の文房具も業務用PCももらったのに何がいるんだろうと思って聞いたら

「まだヘルメットと安全靴とTシャツが届いてない。」

とのこと。




あれ、私、工事現場の監督だっけか・・・?


そんなこんなで約3週間首都キングストンでJICAのドミトリーに宿泊しながら仮勤務状態。

職場の人にも毎週「あれ?まだキングストンいるの?いつ行くの?」と言われまくりながら、資料に目を通したり会議の隅っこに座らせてもらったり同僚の仕事内容をのぞかせてもらったりしていました。


ただ特に後半は思うようにいかないことだらけでがっくりモチベーションが落ちてました。


ジャマイカ派遣の同期はみんな任地で活動している中、ただでさえ語学底辺の私がさらに出遅れてる・・・という焦りとか

任地に行く日付もはっきり決めたいけど職場の皆さんも忙しいだろうし・・・といった微妙なニュアンスを言葉で表現できなくて結局言葉足らずになって「あぁそうじゃないのにぃ~!」ともどかしかったり

上司が連日イベントに連れて行ってくれるけど、さすがに疲れて「今日は帰りたい」と言おうとしたけど、でも私のために連れてきてくれたかもと思うと強く言えず、楽しんでる上司の横顔を見ると言うのも悪いよな・・・言いたいことははっきり言うべきなのはわかるけど・・・ここでそんな空気読まないこと言うのはワガママなのか?とも思い・・・結局折衷案で客席に座ったまま寝てたら、上司に何度も起こされて寝させてもらえず、翌日ヘトヘトで出勤するということが続けてあったり

貸与された携帯電話をトイレに落として故障させたり

体調悪かったせいか顔に発疹と水ぶくれができて病院通いになったり


きっと後になって振り返ると小さな取るに足らないトラブルなんだろうけど(笑)
今を生きるので精一杯な私はそれはもう自分にイライラしながら過ごしておりました。


薬局の写真


そして今週、半ば無理やり引っ越しの日付と誰の車で行くかを決めてようやく任地に着きました。


中国の支援で整備された高速道路
道路に穴が開いてない!快適♪


おっと、ブログがちょっとグチっぽくなってしまいましたね。

次回からは気を取り直してジャマイカの食べ物とか音楽とか私の生活とか、カジュアルな内容も入れていきます~。

何はともあれ、いよいよ活動はスタート地点。
失敗も楽しみながら、焦らず穏やかに、ポイントを押さえて強かに、手抜きせず全力で、やっていきます。



ではまた!