#082 非常事態宣言の街で生きる① の続きです。
そんなこんなで非常事態宣言発令から3か月が経ちました。
?で、実際どうよ?
日本にいる友人や、他の国の青年海外協力隊員からは
「外に出て大丈夫なの!?」
「銃撃戦とかあるんでしょ?」
「ギャングの抗争に巻き込まれないようにね!!」
など言われます。
実際は・・・
めちゃめちゃ平和です。
ポリスとギャングの銃撃戦?ないない!
街中で殺人事件?ないない!
突然の暴動?・・・つかみ合いのケンカくらいなら、あるある!
というか、今までも一定の地域では銃撃戦あるけど、警察の警備強化でかなり沈静化した模様。
?ジャマイカらしいテキトーな検問?
St. James県と隣の県の境界では、防犯ベストと迷彩服を着た自衛隊が銃を腰につけて検問をしています。
・・・が、この検問も結構ゆるゆる。
私のような明らかな外国人は一瞬止まって会釈すればスルー。
同僚のジャマイカ人の女性も一度もまともに検問されたことはない。
同僚の若い男性は「俺みたいに普通の服装して、まともな車に乗ってれば何も言われないよ」とのこと。
怪しい車とか、いかにも悪そうなチンピラだけチェックしているようです。
乗り合いバスも、数秒停止して、自衛隊がサッと乗客を見渡して「センキュー」で終わり。
それ、意味あるん・・・???
とも思いますが、知人の話だと「ある程度もう捕まえるべき人を絞っていて、その人のアジトとか行きそうな場所だけ重点的に捜査してるっぽいよ」とのこと。
検問はほとんどカタチだけですね。
?住民の暮らしは?
基本的には変わらず平和。
↓
↑わかるかな赤いTシャツの人。
車の後ろに足引っ掛けて腹筋トレーニング中。
腹筋しちゃう平和っぷり。
一時的にお店や飲食店の夜間営業が制限されたので、ナイトクラブや映画館が早く閉店してしまうのでダウンタウンは静まり返ってたそうな。
今は徐々に夜間営業の制限が緩和されて、ナイトクラブの盛り上がりが戻ってきたそうです。
?外国人への影響は?
非常事態宣言が出された直後は外国人観光客から何組か旅行キャンセルがあったそうな。
しかし大半はそのまま旅行を継続しています。
旅行客が行くような場所と、ギャングの縄張りは完全に乖離しているので観光客に危険が及ぶ可能性はあまり高くありません。
ホテルから外の道に出てランニングしている欧米人や、お土産物通りをビキニ姿で散策する人の姿も健在。
?日本大使館、JICAの対応は?
大使館からは、以下のような注意喚起が来ています。
・身分証明証を携行する。
・当局の検問、捜索活動に抵抗しない。
・夜間の外出を控える。
・バスや乗合タクシーでの移動を極力控える。
・武器又は武器と間違われるようなものを携行しない。
・外出の必要がある場合には、時間に余裕を持って行動する。
そしてJICAにとって唯一のSt. James在住隊員の私。JICAから私への制約は
・徒歩で移動するの禁止!
・公共交通機関に乗るの禁止!(乗り合いタクシー、バスなど)
・ダウンタウン立ち入り禁止!
↑
どうやって移動したら・・・?
?非常事態宣言の街の隊員の生活は?
私たち隊員は車や自転車は所持していません。
つまり家から出たければ、同僚など知り合いの車に乗せてもらうか、チャータータクシーを呼びつけるかの2択ということだそうな。
このJICAルールを同僚に話して便乗をお願いすると、ほぼ全員から
( ゚Д゚)ハァ???
この反応です。
「もちろん送迎はいいけど、オフィスからYumeの家までなんてジャマイカで1番安全な道じゃない?」
「Yumeはいつも歩いて通勤してるし、街のどこが危険でどこが安全かなんて知ってるのにJICAはクレイジーね!」
「あなたはいつもローカルの人と乗り合いタクシーでどこでも行くのに、急に立派なチャータータクシー乗って金持ちみたいね!」
と驚かれます。
その度に「そうだよね~そうなんだよね~一応、日本の公共の組織の関係だから厳しいんさ~私もよくわからんさ~」
と共感してます。
~今、思うこと~
「非常事態宣言」って言葉はいかにもデンジャラスすぎるし、その類のものが政府から宣言されたとなると日本大使館としても対策を取らないといけない。日本大使館が対策するとなるとJICAも何かしら制限を用意しないといけない。
まさかJICAとしても、
(゜_゜)
「あぁ、非常事態宣言の街?あそこに一人隊員がいますよ。え?いや別に、いつも通り自由に行動させてますけど。だって家の近く安全だって言うんですもん。」
ってワケにはいかない。それはわかる。
その一方で
外国人観光客が自由に移動してお買い物をしているエリアに、観光開発公社に勤める私が入ることすら許されない矛盾。
車で10分のスーパーに行くのすら、事前に高級タクシーをチャーター。
ちょっと歩いて知り合いの家に遊び行こうかな、すら禁止。
これらの不自由さ。
本当に危険ならやむを得ない。私だって怪我したり怖い思いはしたくない。本当に身を守るために必要なルールなら喜んで従う。
本当に必要なら。
でもそうじゃない。
非常事態宣言という言葉の印象とは裏腹の現状、また住民と外部の人の危機感の差を身をもって実感しています。
JICAには定期的に現状をリアルに伝えたり、もう少し規制を緩めてもいいんじゃない~?と要望を出したりしています。
(非常事態宣言の発令当初は「すぐにでも首都退避を!任地変更を!」という反応だったのでこれでもかなり現状にマッチしてきたところです。)
釈然としない部分はありますが、とりあえず私の日々の暮らしは平和そのもの。
それが一番。
平和で安全であることが、全ての大前提だなぁと感じています。
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カラフルな服大好きジャマイカン。 |